平成27年度全国高校総体に出場して

公開日 2016年07月26日(Tue)

 平成27年7月29日~8月2日まで,和歌山県和歌山市紀三井寺公園陸上競技場にて,第68回全国高等学校陸上競技対校選手権大会が開催された,各地区予選大会を勝ち上がってきた強者たちが集う高校最高峰の大会に,本校から3種目9人が参加した。

 大会1日目の最終種目に男子4×100mRの予選を控えていた。和歌山に入ってからバトンパスの精度や走りの調子も上がってきており,最高のパフォーマンスをする準備はできていた。南九州地区大会を6位で勝ち上がったものの,全国高校総体ランキングでは,66チーム中59位と到底上位に食い込める力はなかった。選手たちとなんとか準決勝を目指そうと話しモチベーションを高めた。実際は,チームベストを出せたとしても準決勝に残れないほどのハイレベルで,なんとかこの最高の舞台でチームベストを出して欲しいという思いで選手たちを送り出した。本校は,最終8組の8レーンスタートだった。ピストルの音と同時に一斉にスタートし,当然のごとく,ランキング上位にある中央レーンのチームがどんどん追い上げてきた。3走者までなんとか粘るも,アンカーで離され8位でゴールとなった。記録はチームベストではなかったものの,この大舞台でベストに近い走りができた。しかし,全国の壁は高く,全く歯が立たなかった。

 大会2日目に行われた女子400mH予選に高橋菜々が出場した。高橋は,昨年度も同種目で全国高校総体に出場しており,今年度は,今大会で準決勝に進むことを目標に一年間練習に励んできた。しかし,全国の壁は高く,自己ベストを大きく更新しないことには準決勝には上がれないという厳しい戦いを強いられた。和歌山に入ってからの調子も良く,ベストコンディションで予選を迎えた。本人も昨年度の経験があってか,余裕のある表情がみられた。なんとか自己ベストを出して準決勝に残って欲しいという思いで送り出した。高橋は最終8組の9レーンと一番外側のレーンであった。スタートしてからスムーズにハードルを越えていったが,内側からどんどんと高橋に迫ってくるのが分かった。最終コーナーを回った時点で7位,先頭集団とは大きく離れていた。最後の直線で競り勝つものの6位でゴールした。タイムは自己ベストに100分の1秒及ばなかった。本人は相当悔しがっていたが,この大舞台で自分のレースができ,また積極的なレースができていた。当然のごとく準決勝には進めなかったが,2年連続でこの地で勝負できたことは,本人にとって大きな経験になったと思う。

 大会3日目には,男子走幅跳の予選があり,馬見塚大樹が出場した。県高校総体から大きく記録を伸ばし,2年生ながら全国高校総体に出場した。全国高校総体ランキングは66人中57位と下位にあり,この大舞台で自己ベストを出して来年に繋げることを目標に今大会に臨んだ。馬見塚は,中学校時代にも全国大会の経験はなく,少し緊張した面持ちで跳躍に入った。予選通過ラインが7m20㎝と馬見塚のベスト記録よりも約30㎝遠いものであった。    

 予選1本目,公式練習では合っていた踏み切りが,踏み切り板に乗らず,しっかり踏み切ることができなかった。馬見塚はここまで県高校総体,南九州地区大会と踏み切りは安定していたが,ここにきて踏み切りが乱れてしまった。やはり,全国という特別な重圧があったのだろう。2本目は,なんとか修正して踏み切り板には乗ったものの,まだ完璧な跳躍とは言えず,ベスト記録に10㎝ほど届かない記録に終わってしまった。追い込まれた3本目は,助走スピードが上がらず,中途半端な跳躍に終わり,ここで決勝進出の望みが途絶えた。全国の舞台で,自分の実力を発揮するという難しさを改めて実感するものとなった。

 馬見塚の走幅跳を終えたところで,本校の夏の挑戦は幕を閉じることになった。3種目で臨んだ全国高校総体であったが,1種目も次のラウンドへ進むことができなかった。全国の壁は高く,改めて力不足を感じる大会となった。しかし,地方の進学校から全国の舞台へ上り詰めた選手たちの努力に敬意を表すとともに,来年度,もっと力をつけてこの場に必ず帰ってきたいと強く思った大会であった。

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紀三井寺公園陸上競技場にて全国高校総体出場記念写真

                                            陸上部顧問 田山 慶