自ら考え、分かりやすく伝える

公開日 2021年07月09日(Fri)

7月8日(木)に、令和3年度の校内弁論大会本選が開催され、6人の弁士が登壇しました。

1

田上なな子さん「思いを伝える」

友だち同士の関係が、スマホのやりとりをとおして険悪になってしまいました。そのころ、田上さんに届いた誕生日を祝う友だちからの手紙。田上さんは手紙を読んでとても温かな気持ちになりました。スマホと手紙の違いは何だろう……。田上さんは「相手のことを想像しようとする思い」の深さの違いだと考えました。スマホには無い手紙特有のぬくもりを、田上さんはこれからも大切にしていきたいと考えています。

 

2

森園真悟さん「方言」

「やっせんぼ」という方言を幼い頃から耳にしていた森園さん。方言とはどのように生まれたのか自分なりに調べてみました。その体験をとおして、方言は地域の文化・伝統の一つであり、聞く人に温かみをもたらす言葉だということに思い至ります。方言を使う若者が減る中で、方言そのものが衰退するかもしれない……。森園さんは、方言を守るために、年輩の人とのコミュニケーションが大切だと思うようになりました。

 

3

岩﨑優凜さん「押されて推すな」

好きなアイドルにはまる、いわゆる「推し」。中学生の時にあるアイドルグループの「推し活」にのめり込んだ岩﨑さん。様々な推し活に挑戦するうちに、いつしか飽きを感じるようになりました。同時に、推しの流れに飲み込まれていた自分を客観的に観ることができるようになったのです。自分が「推し活」に飽きたのは、人として成長したからではないかと考えた岩﨑さん。「飽き」を肯定的に捉えることができました。

 

4

濱田千奈さん「ロマンチックが欠けた時代」

1990年代にテレビで放送され、社会現象となった「東京ラブストーリー」や「高校教師」などのドラマ。そんな昔のドラマを観ることが大好きな濱田さんは、それらの作品に、今のドラマには無いロマンチックさを感じてきました。公衆電話に追加のコインを入れて「あと3分話せるね」と電話口でつぶやくヒロインの姿から、自分のために手間をかけてくれる、その思いにロマンチックを感じるのだと濱田さんは気付きました。

 

5

尾上彩音さん「私が生きる理由」

「何のために生まれてきたのか」……尾上さんはそんな自問自答を繰り返しながら成長しました。そんな中、友人たちの相談を尾上さんは聴き続けてきました。「あなたにだけは話せた」と話し終えた後に穏やかな表情に包まれる友人たちと接する中で、将来、孤独な人たちに寄り添うスクールカウンセラーになりたいと願うようになりました。「私の生きる意味は誰かの支えになること」尾上さんはそう確信しました。

 

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石野茉友さん「『自分を信じる』意味を知る」

総学で「観天望気」をテーマに研究を続けた石野さん。研究が深まれば深まるほど、漠然とした違和感を抱くようになりました。いつしか、器械によるデータの収集に頼った観天望気の方法そのものが違和感の正体であったことに気付きます。本来、観天望気は人の感覚に立脚するものであった…と原点に立ち返った石野さんは「自分の感覚こそが大切。感じたことに忠実でありたい」と考えるようになりました。

 

どの弁論も素晴らしい内容でした。様々な情報や体験をもとに自ら考える力や、その考えを分かりやすく伝える力といった、これからの時代に必要な力を存分に発揮してくれました。皆さん、本当にお疲れ様でした。